「しっかり寝たはずなのに、朝からだるい」「家族に『いびきが大きい』『息が止まっている』と言われる」——
もしかすると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が何度も止まる病気で、放置すると高血圧や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、交通事故のリスクが高くなることが分かっています。
健康な人と比べて、睡眠時無呼吸症候群のある人のリスクは。。。。

当院では、自宅で行える簡易検査(在宅睡眠検査)も含め、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療に対応しています。
いびきや眠気が気になる方は、どうぞ一度ご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠中に、呼吸が10秒以上止まる状態(無呼吸)や、呼吸が弱くなる状態(低呼吸)が何度も繰り返される病気です。
多くは、のど(上気道)が塞がってしまう「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」」で、肥満や首まわりの脂肪、あごの形、扁桃肥大などが関係します。
呼吸が止まるたびに体は「苦しい!」と反応して浅い眠りになり、
ご本人は気づかなくても、ぐっすり眠れない状態が続いていることが特徴です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が社会に与える影響
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、本人の自覚がないまま日中の強い眠気や集中力低下を引き起こすことがあり、重大な事故につながる場合があります。
2003年新幹線を運転中の当時33歳の運転士が居眠り運転を起こし、岡山駅で新幹線が緊急停止する事故が発生しました。その後の調査で、この運転士が睡眠時無呼吸症候群を患っていたことが明らかになっています。
同様の事故としては、
2012年には高速ツアーバス(金沢➡ディズニーランド)が関越自動車道で防音壁に衝突し、多数の死傷者が出る事故が発生しました。このバス運転手にも睡眠時無呼吸症候群を疑う症状が確認されていたことが明らかになっています。
これらの事例は、SASが単なる「いびきの病気」ではなく、
交通事故や業務中の重大事故につながる可能性がある疾患であることを示しています。
こんな症状はありませんか?(チェックリスト)
【ご家族から指摘されやすい症状】
- 大きないびきをかく/いびきが途中で止まり、「静かな時間」のあとに再びいびきが始まる
- 息が止まっているように見える
- 寝ているときに、あえぐような呼吸をしている
【ご本人が感じやすい症状】
- 朝起きたときから、だるさ・頭痛・熟睡感のなさがある
- 日中に強い眠気があり、会議中や運転中にウトウトしてしまう
- 集中力・記憶力の低下、イライラ・抑うつ気分が続く
- 夜間に何度もトイレに起きる
- 口が渇きやすい・喉の違和感がある
ひとつでも心当たりがあれば、早めの受診をおすすめします。
放っておくと怖い合併症
睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放置すると、以下の病気のリスクが高くなることが分かっています。
- 高血圧・心不全・心筋梗塞・不整脈
- 脳梗塞・脳出血
- 糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の悪化
- メタボリックシンドローム
- うつ病、不安障害などメンタルヘルスの悪化
- 居眠り運転による交通事故(SAS患者では事故リスクが2〜3倍との報告もあります)
「いびきくらい」と放置せず、早めの検査・治療が大切です。
原因となりやすい体質・生活習慣
体質・背景
- 肥満
- 首が太い、あごが小さい・後退している
- 扁桃肥大、舌が大きいなど、のどの構造的な要因
生活習慣
- アルコールの飲み過ぎ(筋肉がゆるみ、気道が塞がりやすくなります)
- 喫煙
- 仰向け寝が多い
- 不規則な生活リズム
こうした要因が重なると、睡眠時無呼吸症候群が起こりやすくなります。
当院で行う検査について
問診・診察
- いびきや無呼吸の有無、日中の眠気、既往歴やお薬の確認
- 必要に応じて、質問票(例:STOP-BANGなど)を用いてリスクを評価します
SAS検査
ご自宅で簡単にできる検査です。簡易検査➡精密検査の順番です。
簡易検査のAHIが40回以上、精密検査のAHIが20回以上でCPAPの保険適用となります。
簡易モニター検査
ご自宅で夜間に行う、負担の少ない検査です。
指先の酸素濃度、いびき・呼吸の状態、体位などを測定します。
- 郵送で検査機器を受け取り、ご自宅で装着して寝ていただきます
- 検査後、機器を返却いただき、データを解析
- 重症度に応じて、精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)や治療を提案します。
終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG検査)
簡易検査でAHIが40回未満の時に、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査を行います。
睡眠1時間当たりのAHIが20回以上の場合、CPAPの保険適応になります。
重症度の目安(AHI:無呼吸低呼吸指数)
検査では、1時間あたりに何回、呼吸が止まった/弱くなったかを示す「AHI(無呼吸低呼吸指数)」を用いて重症度を判断します。
- AHI 5〜14回/時 … 軽症
- AHI 15〜30回/時 … 中等症
- AHI 30回以上/時 … 重症
中等症以上では、CPAP治療(持続陽圧呼吸療法)が推奨されることが多くなります。
主な治療法
CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
鼻に装着したマスクから空気を送り、のどの気道がつぶれないように支える治療です。
中等症〜重症の睡眠時無呼吸症候群の第一選択治療とされています。

期待できる効果
- いびきや無呼吸の改善
- 日中の強い眠気の改善、集中力アップ
- 高血圧や心血管イベントのリスク低減が期待される等
※毎晩の使用継続が重要です。当院では、機器業者とも連携しながら、違和感やトラブルの相談にも対応します。
マウスピース(口腔内装置)
軽症〜中等症の方や、CPAPが合わない方には、就寝中に装着する下あごを前に出すタイプのマウスピースが有効な場合があります。
あごと舌の位置を前方へ移動させ、気道を広げることで無呼吸を減らします
※作製には歯科での精密な型取りが必要なため、連携歯科をご紹介いたします。
生活習慣の改善
- 減量(体重を5〜10%減らすだけでも改善が期待できる場合があります)
- アルコールを控える、特に就寝前の飲酒を避ける
- 禁煙
- 横向き寝を心がける
軽症例では、生活習慣の見直しだけで症状が改善するケースもあります。
手術療法
扁桃肥大や鼻閉など、局所の解剖学的な問題が強い場合には、耳鼻科領域の手術が検討されることもあります。
必要に応じて、適切な専門医へご紹介いたします。
当院での診療の流れ
外来受診・問診
いびき、眠気、生活習慣、合併症(高血圧・糖尿病など)を丁寧にお伺いします。
必要な検査のご提案
在宅睡眠検査や血液検査、心電図などを組み合わせて行います。
結果説明・治療方針の決定
検査結果を分かりやすくご説明し、CPAP・マウスピース・生活指導など、
お一人お一人に合った治療法をご相談します。
定期フォロー
治療開始後も、症状の変化や機器トラブル、血圧・体重の経過などを定期的にチェックし、
より良い睡眠と全身の健康を一緒に目指していきます。
このような方は一度ご相談ください
- 家族に「いびきがうるさい」「息が止まっている」と言われる
- 日中の眠気で、仕事や運転に支障が出ている
- 高血圧・糖尿病・心臓病などがあり、最近いびきがひどくなった
- メタボリックシンドロームと言われている
- 検診などで睡眠時無呼吸症候群を疑われたが、まだきちんと検査していない
気になる症状がある方は、一人で悩まず、お早めにご相談ください。
受診・検査のご予約について
初診の方へ
眠気の程度や既往歴を把握するため、お薬手帳・健診結果などをお持ちください。
予約方法
電話・WEB予約・窓口で受け付けています。