脂質異常症とは
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が正常範囲を超えた状態を指します。これらの成分は、体にとって必要不可欠ですが、異常値になると動脈硬化を引き起こし、心臓病や脳卒中のリスクが高まるため注意が必要です。
以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、善玉コレステロール(HDLコレステロール)の低下も含むため、「脂質異常症」として分類されています。
脂質異常症のリスクと影響
脂質異常症が進行すると、心臓や脳の血管が動脈硬化を起こしやすくなります。動脈硬化とは、血管の壁が厚くなったり硬くなる状態で、血液の流れを妨げます。この結果、血栓(血のかたまり)ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な疾患につながることがあります。
脂質異常症を放置せず、早めの診断と治療を受けることが大切です。

検査と診断
脂質異常症は、採血検査で診断します。空腹時(10時間以上の絶食後)に血液を採取し、以下の項目を測定します。
- 総コレステロール(TC)
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
- トリグリセライド(中性脂肪)
これらの数値に基づき、動脈硬化のリスクを評価します。また、脂質異常症の背景に他の疾患が隠れていないか(続発性脂質異常症)も調べる場合があります。
リスク評価
- 日本では「久山町スコア」を使用し、発症リスクを「低・中・高リスク」に分類します。
- LDLコレステロール値が180mg/dL以上の場合は「家族性高コレステロール血症」を疑います。
脂質異常症は動脈硬化性疾患のリスクを高めるため、早期の発見と適切な対策が重要です。生活習慣を見直し、必要に応じて治療を進めていく必要があります。
動脈硬化のリスク因子
- 高血圧症
- 糖尿病
- 慢性腎臓病
- 喫煙
- 肥満
- 高齢者、男性または閉経後の女性
- 家族歴
脂質異常症の治療と予防
脂質異常症の治療は、主に動脈硬化の予防を目的とします。
治療の基本は生活習慣の改善です。
生活習慣の改善ポイント
- 禁煙
- 肥満の解消
- バランスの良い食事(脂肪の種類や摂取量に注意)
- 適度な運動習慣
- お酒は適量に(節酒)
肥満や血糖値の管理、適度な運動を心がけることで、脂質のバランスを整え、血管を健康に保つことができます。

薬物療法
生活習慣だけで目標値に届かない場合は、薬物療法を検討します。
主に以下の薬が使用されます。
- スタチン:肝臓でコレステロール生成を抑える薬
- 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬:腸からのコレステロール吸収を抑える薬
- PCSK9阻害薬:LDLコレステロールを減らす薬(必要に応じて使用)
当院のサポート
当院では、脂質異常症の診断、治療、生活習慣の改善サポートを行っています。検査値に異常が見つかったり、気になる症状がある場合はお気軽にご相談下さい。私たちと一緒に、健康的な生活を目指していきましょう。