大阪市平野区の内科・消化器内科・内視鏡内科・アレルギー科
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好酸球性食道炎

 好酸球性食道炎は、食道の粘膜に好酸球(白血球の一種)が異常に集まり、炎症を引き起こす慢性のアレルギー疾患です。この炎症によって、食道の動きが悪くなったり、食べ物がつかえたりする症状が現れます。
近年、患者数が増加しており、特に40~50歳の男性に多くみられます。また、約半数の方がアトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー疾患を併発しています。
 発症の原因はまだ明確にはわかっていませんが、特定の食事を制限すると炎症が改善することが多いことから、食物アレルゲンによる慢性的なアレルギー反応が関与していると考えられています。
 食道の粘膜にアレルゲンが触れるとアレルギー反応が起こり、好酸球が集まります。好酸球が分泌するタンパク質や炎症を引き起こす物質によって、食道の慢性的な炎症が進行し、食道の動きが悪くなったり狭くなったりすることがあります。

最も多い症状は、食べ物がつかえる感じ(嚥下困難)飲み込みにくさです。
その他に、以下のような症状がみられることもあります。

  • 胸焼け
  • 胸の痛み
  • 食後の違和感

好酸球性食道炎の診断は、以下の基準をもとに行います。

主要な診断基準

嚥下困難や食べ物のつかえ感などの症状がある
内視鏡検査で食道の粘膜を採取し、1視野あたり15個以上の好酸球が確認される

参考となる診断基準

🔹 内視鏡検査で特徴的な所見(白斑、縦走溝、気管のような狭窄)がみられる
🔹 CTスキャンや超音波内視鏡検査で食道壁の肥厚がみられる
🔹 血液検査で好酸球の増加がみられる
🔹 男性であること(患者の多くが男性のため)

主要な2つの基準を満たす場合に診断され、その他の基準は参考情報として考慮されます。

治療は主に薬物療法を中心に行います。

1. 胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬:PPI)

 最初に用いられるのは、胃酸の分泌を抑える薬です。
 この薬は逆流性食道炎や胃・十二指腸潰瘍にも使用され、安全性が高いとされています。
胃酸の分泌を抑えることで、食道のバリア機能が改善し、アレルギー反応が抑えられると考えられています。
👉 6~7割の患者さんが、この治療で症状や炎症の改善がみられます。

2. ステロイドによる治療

 PPIで十分な効果が得られない場合は、喘息治療で使われるステロイド吸入薬を、飲み込んで食道に付着させる局所ステロイド療法を行います。
これにより、炎症を抑える効果が期待できます。

この2つの治療法で、多くの患者さんの症状は安定します。

食事療法について

 海外では、小麦・乳製品・卵・大豆・ナッツ類・魚介類の6種類の食物アレルゲンを除去する食事療法(6フードエリミネーションダイエット)が行われ、約7割の患者さんで症状が改善することが報告されています。
しかし、日本ではこの治療法はあまり普及していません。

食道の狭窄が進行した場合の治療

長期間の炎症により食道が狭くなってしまった場合は、内視鏡を使って狭い部分を広げる「バルーン拡張術」が行われます。

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